時事ドットコムニュース に、日本は検査数が少ないわりに感染状況が比較的穏やかなのは何故か、ドイツやWHOが注視していると載っている。
それで、以前から気になっていたことだが、感染状況での日本の世界順位をグラフにしてみた。
感染確認数も死亡数も、当初は中国に次ぐ位置にあったが、徐々に順位を落としている。
3月24日現在、感染確認数が世界25位にまで落ちているのは、確かに検査努力が足りないせいかもしれない。でも、死亡数が世界14位まで下げているのは決して悪いことではない。いずれも、2月初めは中国に次いでメダル候補の位置にいたのだ。
日本にはラッキーな面もある。
感染拡大が中国のように宴会シーズンに重ならなかったことや、たくさんの人が集まる宗教行事の日程にも重ならなかったことだ。初詣時期に重なっていたらどれだけ深刻になっていただろうか。
リスクを避ける日本の文化が感染防止に機能しているのかもしれない。
日本人のほとんどの感染者は誰にもウイルスをうつしていない。テレビの報道によると85%とからしい。
オランダはコロナ対策遅れで状況が悪化し保健相が倒れて辞任したが、遅れた対策とは「握手の禁止」だ。最初の感染者発見から12日目のことだった。でも、こうした措置は日本では必要ない。日本人は心のふれあいは大事と思っても、体でのふれあいには躊躇しがちだ。
何にせよ政府の対策はいつも後手後手にまわることに我々は慣れている。だから日常的にあまりリスクをとらないようになっているのかもしれない。
インフルエンザが流行しだすと日本人はみんなマスクをし始める。うつされたくないし、うつしたくない。それに、マスクをしないで咳やくしゃみをすると、周りから白い目で見られる。それが、我々日本人には気になる。マスクをしない日本人もいるが、どちらかというと少数派だ。
ウイルスを他人にうつさない対策としてマスクは優れている。うつされたくないと思ってつけるマスクが、知らず知らずのうちに感染防止に役立っている。
マスクだけではない。車内で大きな声で話したり、携帯電話をかけるのもはばかられる雰囲気が日本にはある。
まわりの目を気にしながら、我々は日常的に相互に自己規制しているのだ。
こうしたことに加えて、日本人は中国人ほど政府の指示に従わないから、海外渡航歴がなくても症状があれば早期にコロナと診断する優秀な医師たちがいた。機械的に大量の検査をすれば良いというものでもないのだ。
中国のように巨大権力に頼らなくても、日本人は何万年もこの列島で生きのびてきた。その生き延びてきた経験が日本の日常的な習慣や文化となって今機能しているのかも知れない。