日本の新型コロナの死亡率は、世界基準と比べてどこまで高いのか?

ウイルスには感染性と致死性の2面があって、前者で日本はうまくやっているが致死性ではそうでもない。うまくやっているのはどこか?

これを以前レポートしたが、善戦している台湾やシンガポールなどが抜けていて、自分ながら不満だった。

問題は死者数を32以上に限定したことだ。そこで今回は死者数4以上で調べ直した(死亡者3以下の国は今回も除外する(57ヶ国、人口で3.5億人))。

分類する指標に最近話題のK値(=直近1週間の感染者数/累積感染者数)を使う。

まず感染を封じ込めた国として、K<0.1 の77ヶ国(人口:29.2億人)を調べると、表のようになる。

めでたく台湾が入る(死亡率:1.59%)が、トップはアイスランド(死亡率:0.55%)だ。

アイスランドは、感染への初動が非常に早く、かつ、人口1,000人当り170回のPCR検査をした国である。感染者全員を見つけ出し適切な処置を施せば、新型コロナの致死率は1%を切ることができるということだ。

まあ、分母を大きくすればそこまで行くということなのだが、限界値を実績で示したことは重要だ。

感染者の8割は無症状~軽症なのだから、治療が本当に必要な患者だけを選び出す究極の検出手段があったとすれば、死亡率は 0.55%/20% = 2.8% となということだ。

逆に言えば、2.8% 以上の死亡率の国では、死なせなくてもよかった命があったということだ。

表で2.8%以下の国々は、そうしたことがあったとは言えない国々だ。

ここに日本は入っていないが、ダイヤモンド・プリンセス号は入っている。ということは、乗船者数千人に対象を絞れば、日本には対応能力があるが、国民全員となると、対応する組織力がないことを物語っている。