日本の先行事例となっているオーストリアのコロナ・パンデミックへの対応状況

このページは、オーストリアのコロナウイルス・パンデミックに関する4月26日付けの英文のWikipediaのページを、Google翻訳し、されに修正を施して若干読みやすくしたものです。詳細は以下の原文を参照してください。https://en.wikipedia.org/wiki/2020_coronavirus_pandemic_in_Austria

2019〜20年のコロナウイルスのパンデミックは、2月25日にオーストリアに広がったことが確認されています。24歳の男性と24歳の女性がイタリアのロンバルディアから旅行し、 インスブルックの病院で治療を受けました。

背景

2020年1月12日、 世界保健機関 (WHO)は、 2019年12月31日にWHOに報告された新規のコロナウイルス中国 湖北省 武漢の人々の集団における呼吸器疾患の原因であることを確認した。

COVID-19の致死率は、2003年のSARSよりもはるかに低いが、 感染力は著しく大きく、総死亡者数もかなり多い。

イベント

2020年2月25日、 オーストリアCOVID-19の最初の2症例を確認しました。イタリアのロンバルディア出身の24歳の男性と24歳の女性で、陽性反応が出て、 チロルインスブルックの病院で治療を受けました。

2月27日、 ウィーンに住む72歳の男性は、 SARS-CoV-2の検査で陽性になる前に、インフルエンザの症状があり、10日間、Krankenanstalt Rudolfstiftung病院にいました。 その後、カイザー・フランツ・ジョセフ病院に移送されました。 陽性反応を示したカップルと症状を示していた彼らの2人の子供が、カイザー・フランツ・ジョセフ病院に入院した。 家族は以前、イタリアのロンバルディアで休暇中だった。 2月28日、1人の子供、15歳の少年が陽性反応を示した。 この病気のため高校では、4人の教師と、2003年から2005年生まれの23人の生徒が隔離のために家に返されるという予防措置が取られました。 

3月1日から、ドイツと北欧諸国の当局は、チロルのスキーリゾートの町イシュグルをコロナウイルスの主要なホットスポットとして特定しました。 数百の感染が最終的にこの町にさかのぼって追跡されました。感染は2月下旬から発生していたのです。初期のリスクを軽減した後、チロル当局は3月13日に町全体を検疫に入れました。

2020年3月10日、政府はすべての大学が遅くとも3月16日までにクラスを終了すると発表しました。 500人を超えるすべての屋外イベントと100人を超えるすべての屋内イベントはキャンセルされました。 14歳以上のすべての子供は3月15日から、13歳以下のすべての子供は3月17日から家にいるように命じられました。 これは4月4日まで適用されました。イタリアからの入国制限が確立されました。 政府は一般の人々に社会的な接触を避けるように要請し、さらなる制限がまもなく行われることを発表しました。 

2020年3月12日、オーストリアはCOVID-19の最初の死亡を確認しました。ウィーン出身の69歳の男性がウィーンのカイザー・フランツ・ヨーゼフ病院で死亡しました。 

2020年3月13日までに、確認された症例は422人でした。 

COVID-19に感染した可能性のある人は、感染のリスクを減らすために、いかなる場合も医師または外来クリニックに行くべきではなく、代わりにヘルスケア番号1450に電話するように指示されました。 3月15日、パンデミックを前にして、他の日曜日の約70倍の電話がありました。 

3月15日、5人以上の集会の禁止も発表され、3月17日からレストランの閉鎖が命じられました。 さらに、 チロルの総督であるギュンタープラッターは州全体で1週間の封鎖を発表しました。 チロルの住民は、食べ物や薬の購入、医者への訪問、現金の引き出し、犬の散歩などの必要な理由を除いて、自宅に留まる必要がありました。 

3月16日、禁止措置は全国に拡大され、外出するには次のいずれかの理由が必要とされるようになりました: 

  • 必要な業務上の活動
  • 必要な購入(食料品または医薬品)
  • 他の人を助ける
  • 外で、単独で、または同じ世帯に住む人々と一緒に活動する

当局は、これらの制限は警察によって積極的に実施されていると述べた。

3月27日、連邦保健大臣ルドルフアンスチョーバーはオーストリアでパンデミックが2020年4月中旬から5月中旬の間にピークになると予想されると発表しました。

3月30日、オーストリア政府は、4月6日から、店に入るすべての人がフェイスマスクを着用する必要があると発表しました。

3月30日、オーストリア政府はランダムテストを実施すると発表しました。 

4月1日から4月6日まで、ランダムテストはSORA研究所によって実施され、ウイルスの影響を受けた地域でランダムに選択された2000人の候補者に連絡を取りました。 1544人の候補者がテストされました。 この研究に基づいて、病院に入院していない集団における感染の有病率が再計算され、その結果、推定値は約0.33%でした。 結果は4月10日に発表されました。

4月14日、公共交通機関でもフェイスマスクの着用が義務付けられました。 同時に、400ヘーベ未満の小売店やホームセンターなどの店舗は再開が許可されました。 

政府の防止策

3月16日 外出禁止措置(上記参照)。自宅でできないすべての必須でない業務の停止。

3月17日、国境検問に加えて、オーストリアはイタリア、中国の湖北省、イラン、韓国からのすべての入国を禁止しました。ただし、コロナウイルスの影響を受けていないことを確認した4日以内の診断書を持っていた人は例外です。 

3月27日、これ以上の防止策は計画されていないことが発表されました。 

3月30日、政府は口と鼻を覆うフェイスマスクの着用を義務付ける計画を発表しました。 4月6日以降、これはスーパーマーケットに入る人にのみ影響しますが、近い将来、より多くの公共の場所に拡大されます。 

アジアの主要国での死亡数推移

 欧州や米国が厳しい状況にある中、約40億の人口を擁するアジアで感染状況がどう推移しているかをグラフにしてみた。

 中国の1日当りの死亡数は、2月15日にピーク(156)を打ってから長期の漸減傾向にあり、3月21日以降一桁で推移している。

 日本と韓国ではともに早い時点(それぞれ2月19日, 2月20日)で死者が出たが、その後いずれも1日当りの死亡者数を比較的低くに抑えてきている。

 一桁を超える死亡数を記録したのは、インドネシア(3月9日)、韓国(3月20日)、フィリピン(3月29日)、インド(4月3日)、パキスタン(4月5日)である。 この内、インドがここ数日数字を急速に伸ばしていて心配される。

 インド以外の国々では4月6日現在1日当りの死亡数は一桁に抑え込まれていて、欧米のような状況の急速な悪化は見られない。

日本が学ぶべき事例を求めて 新型コロナ感染状況を4地域に分類して考えてみた

「日本はこのままだと3週間後には中国のようになる、イタリアのようになる」とか人々を煽るような発信が多いが、本当だろうか?

 政府が本当に何もしなければ急速に悪化することもあるのだろうが、世界にそんな政府は見当たらず、ほぼ例外なく右往左往している。その悪戦苦闘の結果としての各国の感染状況で国々を4地域に分類してみた。悪戦苦闘にも学ぶべき成果がないとは言えないからだ。

 各国のWHOへの申告値は毎日大きく変動する。報告者も人間なので休息をとることもあるのだろう。そこで以下の尺度で分類した。

 死亡数の3日間の平均値が
A地域: 100超 (2020-04-02現在、8地域)
B地域: 10超  (同じく11地域)
C地域: 5超  (同じく7地域)
D地域: 5以下 (同じく181地域)

A地域:3日間の平均で死者が毎日100人超発生している地域

 A地域の多くの国々では医療崩壊が進みロックアウトが行われている。
 その先駆けである中国ももちろん1月からA地域だったが、2月26日にB地域へ、3月19日にC地域へ、3月27日にD地域へと終息してきた。1月23日の武漢封鎖後34日間で最悪の状況を脱してB地域になり、さらに32日かけてC地域となった計算だ。
 オランダとベルギーは、国としてはB地域となるが、文化的にも地理的にも近く感染推移も類似しているのでルクセンブルクと合わせてベネルクスとして集計した。
 ドイツは善戦が伝えられていたが、死者数では3月31日にイランを超えた。善戦したのは、初期段階で大量の検査を行ったことにあるとされているが、この方法が有効なのは感染の初期段階にかぎられるとクラスター対策班の押谷教授が指摘している(https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf)。
 日本のニュースでは、A地域の状況が盛んに報道されるため、それらとの比較で日本の対応が議論されがちだ。しかし、この最悪の状態に至らなかった国々が大半だ。学ぶことがあるとしたら、踏みとどまっている国々にこそあるのではないかとも思うのである。好奇心と謙虚さはこういう時こそ大切だ。

B地域:3日間の平均で死者が毎日10人超発生している地域

 ロックアウトと医療崩壊のぎりぎりの国々だ。
 スイスの昨日(4月1日)の死亡数は78人であり、医療崩壊の瀬戸際だろう。Le Mondeの3月20日付報道から試算した「死亡数の3倍の重症者がいる」なら、それは234人であり、それに日々対応するのに病院はてんてこ舞いだろう。
 イスラム圏に属するトルコが、イランと同じ道を歩むのかは注目される。同じイスラムでも、宗教指導者の力はあまり強くない。同じことはインドネシアについてもいえるのかもしれない。
 スウェーデンは、感染スピードを抑えながら集団免疫で乗り切ろうとする数少ない国だ(WSJ 2020-04-01)。同じ戦略だった英国では、感染スピードを抑えきれずにA地域入りしてしまった。スウェーデンの英国との違いは住人の多様性が限られていることだ。ほとんどの人々は個人主義的で、感染が広がりやすい大家族はない。政府の打ち出す施策に従って人々がウイルスに対抗できるている。ただ、ソマリア出身の移民のように大家族でくらす人々では死亡者が多くでている。
 新型コロナに対しマスクの有効性が注目されていて、「外出にはマスク着用」を義務づけたのがオーストリアだ(WSJ 2020-04-01)。旧オーストリア帝国の国々の中にも、同様の措置を取る国々が出ている。
 マスク着用国のインドネシアは、3月19日にB地域入りしたが、その後、大きく状況悪化せずに踏みとどまっている。このまま踏みとどまることができれば、日本にとって貴重な教訓になるだろう。
 どの国がこのまま医療崩壊せずに踏みとどまるか、あるいは、感染スピードを抑えきれずにA地域入りするかが注目される。

C地域:3日間の平均で死者が毎日5人超発生している地域

 1日当りの死者が5人から10人に踏みとどまれている国々だ。
 この地域は周辺の国々に比べ状況は悪くないため、「感染拡大が落ち着けば、4月半ばの復活祭(イースター)休暇明けに外出自粛などの制限を緩和する(デンマーク首相)」などの希望的な発言や、自国の政策を自慢する国すらもある。
 ここ数週間のウイルスとの闘いで、自国の医療システムの能力と政府規制とのバランスの中でまずまずの成果をあげ、政府も国民もある程度の余裕があるのだろう。
 ただ、数値を詳しく見ると、死亡数に増加傾向が見られないのはマレーシアだけであり、今後、政府の対策は二転三転する可能性がある。多分、この臨機応変に対応する柔軟性が政府と国民にあれば、状況はそんなに悪くならないかもしれない。

D地域:3日間の平均で死者が1日5人以下の地域

 世界の国と地域の大部分はいまだこのD地域に属している。
 ここには、中国のようにやっと終息しつつある国もあるし、日本や韓国のようにしぶとく感染を抑え続けている国々もある(ちなみに日本の死亡数は3日平均で1.7)。
 これら中国とその周辺のマスク着用国を除くと、D地域のほとんどの国々は中国から地理的・文化的に非常に離れていることが、今回、幸運に働いているように思える。

 その抱える人口から、最も注目されるのは、インドだ。

 そのインドと日本を比べると、インドの感染確認数が10を超えるのは3月5日で、日本の2月初めと比べて1カ月の遅れがある。武漢からインドへの直行便がないのも幸いしただろう。
 日本の最初の死者は2月14日だったが、インドでは3月13日で、やはり1カ月遅れだ。感染は中国から直接ではなく、中東や米国の印僑経由でもたらされているのではないだろうか。
 インドは中国から遠い国であり、どうなるかはこれからだ。
 ちなみにインドと日本の死亡数の推移をグラフにした。すでにインドは死亡数で日本を超え始めている。1カ月前の3月1日のイタリアの死亡数は8である。インドはこの数値を1カ月遅れで昨日超えた。