多国語の学び方(1):音読み、訓読み、中国語読み

9年前、54歳の時に三つ目の外国語である中国語を学び始めた。

中国赴任の話はまだまったくなかったが、出張は増えていて、タクシーくらいは使えるようになりたいと言うのが当初の目的だった。ただ、長期的には中国語もマスターしようと言う気持ちもあり、基礎はしっかり学ぼうと思った。

基礎の基礎は発音であり、また、それを聞き分けるようにすることである。

中国語はすべて漢字で書かれているのだから、5~6割がた意味は分かるはずであり、発音と言うか漢字の読みを憶えれば語学力でかなりのレベルに達する。

教材は、「上野恵司著 中国語発音の基礎 (CDブック)」。

発音の仕方を、教材に書かれている通り完全に体で覚えることがまず大事。まず発音できるようにし、次に、聞きわけられるように練習を繰り返す。そう、学習開始当初は、発音はできても聞きわけることはできていない。この状態は何カ月、あるいは何年も続く。自分が聞き分けられないとしても、中国人の多くは聞き分けているので、教材に書かれている通り、精確に発音することを続けなければならない。

練習は、教材のCDをMP3プレーヤーに入れて、毎日の通勤時に繰り返し聞く。そして、聞きながら自分で発音し、CDの発音と自分の発音の違いを注意深く聞き、違いがあれば少しずつ発音方法を修正していく。これを4ヶ月くらいやった。

単調な作業だが、とにかく、これをマスターすれば、あとは、きわめて楽なはずなのである。

日本人は、漢字の書き方、字義、音読み、訓読みをすでにマスターしているのだから、中国語習得の基本は、もう一つ中国語読みをマスターするだけなのである。