文化と集団的自衛権

最近、集団的自衛権に関する議論が多く交わされているが、単に政府解釈や法律を変えれば国の安全が強化されると思うのは単純過ぎるのではないか と最近強く感じる。

そもそも日本と他国が交戦状態に入った場合、緒戦での米軍の参戦はあるとしても、長引いたときに参戦継続への米国国民の支持が得られるのだろうか?

これが日本ではなく、イギリス、カナダ、オーストラリアなど、米国とほとんど同一の文化を共有する国々であれば、米国民の過半数の人々の支持が得られるであろう とは思う。しかし、日本と米国は文化的に非常に離れているし、捕鯨継続など、米国国民の非常に多くの人々の気持ちを逆撫でにしている国でもある。

米国民から見て、日本は同じ考え方を共有している国 だ と言う実感は乏しいのではないか。仲間ではあるとしても、非常に遠くの仲間であり、自国の若い人々の血を流してまで守りぬくべき仲間と認識されているのかどうか。日本の一般人は世界一だと言うアメリカ人はいるが、日本と言う国、特にその政治家に対して、仲間意識を抱く米国人がたくさんいるのだろうか? 私にはあまり自信がない。
文化的に、日本の次に孤立度の高い国としてイスラエルがあるが、イスラエルは欧米の支持を得るためにどのような努力をしているのだろう。

文化的に孤立している国々

最も近い国とその国までの文化的距離

文化的距離<1の国の数

米国までの文化的距離

スロバキア

中国(1.37)

0

2.16

日本

ハンガリー(0.93)

1

1.93

イスラエル

フィンランド(0.80)

7

1.23

ちなみに、文化的距離1は、ドイツとフランスの文化的距離1.05にほぼ相当する。